青心烏龍五月一日新茶
私、管理人の学生時代の友人に台湾からの留学生がいました。彼女はかかさずホットのペット緑茶を常備して飲んでいて、聞いてみると自宅では、台湾から持って来ている高山茶をいつも飲んでいると言いました。
興味を持った私は、彼女に頼んで、そのお茶を少し分けてもらいました。箱には阿里山茶とありました。
今でもそれは印象的に残っています。くるくると丸まった茶葉は渋いダークブラウンで、手に取ると焼いたナッツのような香ばしい匂いが漂って来ました。
早速家に持ち帰って何でもない急須で入れてみました。
これって烏龍茶なの?それが最初の印象でした。色は薄緑に淡く、今まで知っていた缶などの「烏龍茶」の濃く茶色の色には程遠かったのです。抽出時間が遅いのか、茶葉の量が少ないのか、もう一度試してみましたが、相変わらずその色は淡く穏やかでした。(日本では缶やペット飲料など中国の福建省の烏龍茶がメジャーだが、本当に上質の茶は台湾にあると後に知りました。)
一口飲みました。甘い。いや、砂糖のようなまったりした甘さではなく花の蜜を吸ったよいな爽やかな、舌離れの良い甘さでした。それでいて、深いこくかあって、じっくりとばいせんした滋味が溢れていました。
鼻に突き抜ける清々しい青葉の香りとナッツを少し焦がしたような深い香ばしさ
お茶に感動したのはこの時が始めてだったと思います。
それから月日が経ち、頂いたお茶ももちろんなくなり、台湾茶に触れることもなくなっていました。
それが、去年の末にたまたま四連休が出来たので、どこかに行こうかと私案した結果、ふとあの時飲んだ台湾は高山茶のことが頭によぎりました。よし、台湾にお茶を飲みに行こう。
中山北路の茶藝館「雄光逸馬堂」
たまたま台北で見つけた「陶石茶房」という茶藝館。ここは、なんというか、茶藝専門店というより、休憩スペース、リラックススペースといった非常にまったりとした雰囲気で、夕食後の時間をゆっくりとお喋りして夫婦や、商談するビジネスマンが、茶器具を使って長時間居座っていました。ここでは、非常に繊細な線の図柄が描かれた茶器が大変気に入り、さほど高くもなかったので、記念に購入しました。
帰り際、店員のお姉さんに、信用できる茶屋を知らないかと聞くと、「意翔村茶業」というところを紹介してもらいました。
彼女の話によると、台北に有名店はたくさんあるが、なかには観光客相手に高級茶葉を試飲させ、購入品には安い茶葉を入れるなどの悪徳商売をしている店もあるということでした。
この「意匠村茶行」の主人の陳換堂さんは業界では有名で、とても人の良い方だから安心してお茶が買えるとのことでした。
帰国の日の朝、急ぎ足で向かった意匠村茶行では、陳さんじきじきに様々なお茶を試飲させてもらいました。その中でも、気に入った3種類、高級鉄管音、凍頂烏龍、そして陳さん自ら焙煎したという古典美人茶を、それにジャスミン茶を加え、購入しました。
ここでの試飲の仕方は大変おもしろく、茶碗をズラリと8種類程並べ、それに異なる茶葉を入れ、一つ一つにお湯を注ぎ、茶葉の開き具合を眺めながら、スプーンで香りを嗅ぎ、味わうという、不思議な、それでいて良心的な手法でした。
淡水の夕日
帰国して、せっかくなので、意匠村茶行で購入したお茶を、西原珈琲店本山店、同栄店、そしてCAFE Kahve haneの三店舗のメニューに加えました。本山店には、『古典美人茶』、栄店には『凍頂烏龍茶』、Kahve haneには『ジャスミン茶』を、『鉄幹音』は少し、焙煎が深すぎ、苦味が強すぎるということで、メニューから外しました。
抽出は紅茶用ポットを用い、抽出時間は五分としました。
すぐ売り切れとなりました。
予想外に強い反応に、驚きながらも、私自身が感じた台湾茶の魅力と奥行きを、お客様にも共感して頂けたことに喜びを覚えました。これは、今年一月のことです。
これに平行して、私は、学生時代の台湾人留学生の友人に再び連絡を取っていました。彼女は、現在アメリカで英語を勉強しながら、お父さんの貿易の仕事を手伝っているようでした。
学生時代の私の感動と、最近の台湾旅行、そして店舗販売について話すと、偶然なことに、彼女の妹の親友のお婆さんが、台湾は阿里山で農家を営んでいるということを聞きました。早速、コンタクトを取ってもらえるようお願いすると、彼女は快諾して下さいました。
そこから、日本→アメリカ→台湾→アメリカ→日本、という遠回りな経路で、ゆっくりゆっくりと話を進めてきました。なにしろ、その台湾農家のお婆さんは、日本、また外国と商売した経験はなく、もちろん英語もパソコンも必要としない方なため、私は、アメリカにいる台湾人の友人にメール、電話して、彼女に台湾まで電話をしてもらうという手段以外になかったのです。
台湾農家の方は、葉翠娥さんという女性で、台湾嘉義県のにある、阿里山の海抜1,400m付近と梅山1,000m付近に二つの茶園を経営し、ご自分の製茶工場を阿里山の達邦村というところに持ち、販売までされているということでした。台湾の言葉でいう「自産自銷」、つまり、日本における「産地直送」という形態になります。
彼女は、お話の中で、パソコンや、取引上の送金の話になると「私は田舎の農家の人だから、本当に何もわからないです。」とよく言うらしい。とても愛らしい言葉です。しかし、彼女は、サンプルをお願いした時も、どこの馬の骨かもわからない、しかも外国人の私に、すぐにEMSを使って送って下さりました。
サンプルのお茶は6種類、今年4月3日に私の元へ届きました。
筆舌し難し。
形容することが本当におこがましく思います。茶葉は大粒で、大げさでなく、つやつやと光っていました。商品表の中には「原味」という表示がありました。これは焙煎を施していないということで、こんなことは本当に新鮮な茶葉でないと商品化できません。
当初は、サンプルは無料ですが、送料は払って欲しいということでしたが、色々と私が、お茶のこと、茶園のこと、栽培方法のこと、しつこいぐらいに質問をしているうち、こちらの熱意を感じていただけたのか、「長い付き合いになると思います。サンプルの送料もいらないです。お茶の購入代金もお茶が到着した後で大丈夫です。」と言って下さりました。
また、この度、正式にお茶を購入するにあたって、送金用に米ドル口座を作って頂けるようお願いしたのですが、その手間など、また今までのお礼含め、少し多めにお金を送ると伝えると、「それはいりませんので、お茶と送料だけで、お願いします。」という返事が返ってきました。
本当に素晴らしい方に出会うことができた。
ずっと仲介をして下さっている台湾人の友人の、その人柄やコミュニケーション能力の高さによる信頼関係であることは間違いありませんが、ともかく、この出会いに、本当に喜びを感じています。
こんな文章をネット上で見つけました。sotoさんという方の運営する台湾茶のページで、その中の「台湾烏龍茶の見分け方」という欄の一部を、私の幸運さを表現するために、少し引用しようと思います。
「■茶葉の入手ルートは?
日本で中国茶を飲む場合、茶葉がみなさんの手元に届くまでにいくつかのルートがあります。
これを大きく分けると以下の3つのパターンになると考えられます。
パターン1
茶農 → 茶荘 → (国内の販売店) → みなさん
パターン2
茶農 → (国内の販売店) → みなさん
パターン3
茶農 → 農會 → (国内の販売店) → みなさん
※茶農:
お茶の生産者。製茶を最終仕上げ前までしか行わないところ、製茶を最後まで行うところ、茶葉の生産だけで製茶は行わないところがある。
※茶荘 :
茶葉の製茶と販売を行う。販売のみの場合もある。貿易商を兼ねていると考えて良い。
※農會 :
日本で言うところの「農協」にあたる。
まずパターン1ですが、通常、デパートや中国茶屋さんの店頭で茶葉を買うのがこのパターンになります。 普通は台湾の茶荘が茶農からの買い付けや、国内外の小売店に対する卸を数十キログラム以上の大きなロットで行うため、茶葉の品質は概してあまりよくありません。
次にパターン2ですが、特殊な「コネ」で生産者から大事に育てられた茶葉を直接入手し、販売、もしくは紹介しているのがこのパターンになります。古くからの知り合いや、長い商売上の付き合いによって培われてきた信用の元に茶葉を購入するのが前提になっています。通常、ただそのお茶を飲みたくても特別なコネがない限りそのようなお茶を入手し、飲むことは望むべくもありません。もしコネがあっても茶葉の生産量自体が少ないためにまとまった量を購入することは難しく、もしできても非常に高価になってしまいます。
そしてパターン3なのですが、農會がいくつかの茶農から茶葉を仕入れて一括して製茶するため、比較的レベルの高い「汎用品」が一定量生産され、安定供給されるというメリットがある反面、良質の茶葉も、あまり上手に作られなかった茶葉も一緒くたに製茶されてしまうといったデメリットもあります。しかし、この農會ルートからは「一品もの」と言える農會主催の「品評茶」(コンクールの出品茶)を、運が良ければ入手できることがあります。」
私の場合は全くパターン2に当てはまります。
私は葉さんに、質問をしつこく送っている中で、葉さんから、大変多忙な時期にある、という連絡がありました。今年、4月中頃のことです。
2,005年5月度春新茶収穫期
その時に送られてきたfaxの原文と訳を紹介します。
「請代轉西原樣,謝謝,這陣子正?高山茶採收期,茶農皆很忙,等一切採收完
成,將在重新整理新茶樣,如此茶品質比較好及價錢適中並且較具代表性,因為我非常有誠意願意跟
貴公司配合,希望可提供貴公司更好的選擇。」
現在、私達は今高山茶の採取期に入っており、皆多忙を極めております。春茶の商品用分別(質と値段など)、またサンプルの整理は、全採取終了後となります。貴社用のためにサンプルをお作りしますので、そこから希望のものを選んでください。
このあたりで、私の葉さんの茶葉を購入への強い気持ちと、葉さん自信への信頼の気持ちは頂点に達していました。私はすぐのこう葉さんにお願いしました。
「春茶の収穫が終わったら、葉さんが、最も上等とする烏龍茶と金萱茶を1台斤(600g)ずつ送って下さい」
そう、葉さんにお願いしました。その後、まず、収穫した茶葉は、いくつかの品評会に出品して、グレードを決める必要があるとのことで、少し待って下さいと連絡がありました。これが五月前半のことです。
2,005年5月17日葉翠娥茶園5月1日収穫春新茶到着
そうやって届いたのが、以下に述べます、二種類のお茶、青心烏龍茶と金萱茶でした。
その茶葉は、青く緑がかり、つややかに光り、ごろん大粒で、均整の取れた上品。
阿里山烏龍、その色は、まさに翡翠、よく「翡翠のような色」という言い方があるが、この烏龍の色は翡翠そのものの、淡く輝く薄緑の宝石。
葉翠娥さんの生み出した翡翠のごとき宝石茶。
鮮やかに肉付く茶葉の新鮮さ。
95℃の湯の中で、伸びやかにたゆたう茶葉。
青い新鮮な茶葉の香りは遠くつきぬけ、軽焙煎のスパイスが香ばしさを包み込ませています。その味は、雑味や、臭み、苦味から全く遥かにかけ離れ、花蜜の甘さと焼きナッツの風味が溢れています。その優しい口当たりに反し、余韻はいつまでも消えません。深いコクが舌から喉を超えてしとしとと響きます。「おいしい」より先に「心地良い」が先に来ます。
梅山金萱、こちらは、烏龍より、もっと甘みが目立ちます。しかし、その甘さもあくまで爽やかで舌には残りません。バニラミルクが舌の上に滴り落ちるような、不思議な味です。香りも味もあくまで上品、だけど楽しい、滋味も確かです。こちらも軽焙煎、茶園直送だからこそできることです。本当に摘み立ての新鮮さが表現されています。
600gは、300gずつ真空パックで送られてきたので、300gは、店舗メニューに加えます。そして残りの300gは遠方の方のために、オンラインにて販売致します。
300gしかないため、30gずつ小分けして販売致します。価格は以下の通りです。
青心烏龍茶:30g、1,800円
金萱茶 :30g、1,600円
完全な個人輸入のため、少し高価になってしまうことをお許し下さい。
送料は当店負担とさせて頂きます。
各茶葉の詳細データです。以下に列記します。
『青心烏龍茶』
商品名称・・・「頭等奨受賞」青心烏龍茶(春茶)(30g)
価格・・・1,800円(送料は当店負担)
生産地・・・嘉義縣阿里山
茶園・・・現代茶業
茶師・・・葉翠娥
茶樹の品種・・・青心烏龍(503号)
収穫日・・・2,005年5月1日
焙煎日・・・2,005年5月1日
採取方法・・・手摘み
肥料・・・有機肥料
茶園の海抜・・・1400m
発酵度・・・30%
焙程度・・・軽焙火
推奨茶器・・・陶土製の茶壺・急須、蓋碗、マグカップ
茶葉の分量・・・6~7g
お湯の温度・・・95~100℃
時間の目安・・・一分(2煎目-5秒、以降+10秒ずつ)
*昨日、アメリカの友人から、葉さんのこの烏龍が品評会で優勝したと連絡が入りました。近日、その品評会の詳細、また会中の写真などを送って頂く予定ですので、しばらくお待ち下さい。これで、上に引用したパターンの3にも含まれることになりました。
『金萱茶』
商品名称・・・葉翠娥金萱茶(春茶)(30g)
価格・・・1,600円(送料は当店負担)
生産地・・・嘉義縣梅山
茶園・・・現代茶業
茶師・・・葉翠娥
茶樹の品種・・・金萱(2902号)
収穫日・・・2,005年5月1日
焙煎日・・・2,005年5月1日
採取方法・・・手摘み
肥料・・・有機肥料
茶園の海抜・・・1000m
発酵度・・・25%
焙程度・・・軽焙火
推奨茶器・・・陶土製の茶壺・急須、蓋碗、マグカップ
茶葉の分量・・・6~7g
お湯の温度・・・95~100℃
時間の目安・・・一分(2煎目-5秒、以降+10秒ずつ)
ご注文はこちらへ
商品に関するお問い合わせは以下のアドレスまでご気軽にどうぞ。
MAIL:cafe_nishihara-lj@infoseek.jp
~おいしいものに出会う幸せ、
分かち合うしあわせ。
西原珈琲店企画室

0 Comments:
コメントを投稿
<< Home