金曜日, 4月 08, 2005

Ten Views-スペイン現代写真家10人展

Ten Views-スペイン現代写真家10人展


Juan Manuel Castro Prieto

過去25年の民主社会において、スペインが遂げた変貌をテーマにした写真展です。クリスティーナ・ガルシア・ロデロ(Cristina Garcia Rodero)など、ドキュメンタリー写真で知られる10人のスペイン人写真家の作品が展示されています。

彼らのファインダーを通して、今日のスペイン、スペインの街角、人々の生活や習慣、祭りと儀式、ライフスタイルの変化や、過去数十年間の経済や社会の発展と変遷などを収めた作品が集結しています。

創造性や専門知識のレベルの高い写真家たちによる、スペインが経験した20世紀から21世紀への移り変わりの瞬間を一枚一枚に焼き付けた写真が見られます。



私が、特に興味を持ったのは、
Jose Manuel Navia(ホセ・マヌエル・ナビア、1957年マドリード生まれ)です。


barcelona. quartier de carmero, 1995. Jos? Manuel Navia

彼の写真の全てに現れている特徴は、くっきりと映える色彩の濃淡さ、そして、激しい色彩を撥ね付けるような、奥行きです。それらが、巧妙かつ自然な形で共存し、見るものに強烈な色彩イメージを与え、どこまでも続く余韻と物語へ誘います。


morocco,casablanca. suburbs of rapid growth. Jose Manuel Navia

その色を見ていると、ふとインドの写真家Raghu-Rai(ラグーライ、ジャン生まれ)を、そしてその奥行きと物語にWim Wenders(ヴィムヴェンダース、ベルリン生まれ)を彷彿とさせます。


mozambique. 2000. Jose Manuel Navia

圧倒的な技術性に裏打ちされた色彩と奥行きの表現、しかし良く見れば、どの写真にも対象への深い興味と想い入れが滲み出ていることに気づかずにいられません。


morocco, high atlas mountains, dades valley. road to tidrhest. Jose Manuel Navia

東京、恵比寿にある東京都写真美術館にて4月24日(日)まで開催中です。また、今写真展の主催者である、スペインパビリオンのMarta Cesteros(マルタ・セステロ)女史との協力により、現在、当グループ各店舗におけるポスターの掲示とチラシ配布、また当ウェブサイトでの紹介を行っております。


navia morocco,casablanca. suburbs of rapid growth. Jose Manuel Navia
殺伐とした風景に、古びた車に手をかけて頼りなさげに立つ男の背中は、物悲しい。しかし、遠く空を染める夕陽の薄紅が、風景と男と車を、優しく包み込んでいる。旅の情感をありありと滲む一枚だ。


navia morocco, tangier. medina (old city). Jose Manuel Navia
青の濃淡だけで、深い味わいが表現されている。一日を終えた人々と、暮れた空、青の静謐な色合いの中に、生活感が溢れ出ている。心が自然と和んでくる。


visum Jose Manuel Navia
くっきりと映える色彩の輪郭が、眼前の景色と拡がる夜空に強烈な存在感を植えつけている。緻密な技術によるものだが、抜群のセンスと的確な描写が、一種宗教的な境地へと至らせている。